いよいよカヤックのトップシーズンとなりました。暑い日差しを受け水辺で遊ぶのはとても心地よいものです。思わずフネを下りて直接水に飛び込みたくなる人も多いのではないでしょうか。しかし、カヤックに乗ったまま、不意の沈となると話しは別です。水の入った重たいフネを岸まで運んでの水出しは本当に疲れます。もし流れの中での沈となると事は更に面倒なことに…。やはり川遊びは楽しくいきたいものです。無駄な体力や過度の緊張なしに、のんびりとリラックスして適度なスリルを味わう。これが理想ですよね。
そこで今回と次回の2回に分けて、プールでの基礎講習を終えた方を対象としたロールの具体的な練習方法をご紹介します。皆さんもぜひチャレンジしてみてください。
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ロールにはいろいろな形がありますが、全てのロールの基本は『腰のかえし』です。まずフネの傾け(リーニング)から始めましょう。 |
前漕ぎをしながらの360度ターン(リーニングターン) |
ターンの外側のヒザをやや立て気味にして、ターンの内側に向けてフネをわずかに傾けます(リーニング)。最初のうちは外側が1〜2センチ持ち上がれば十分です。そのままフォワードストロークを始めます。フネはゆっくりとターンを始めますので、そのままフネの傾きを維持して360度のターンを行います。 |
●ターンしようとする方向とは逆側から漕ぎ始める。
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ターンの外側のパドルはやや寝かせ気味、内側はやや立て気味にして自分の近くを漕ぐ。
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ターンをしている間はフネの傾けを緩めずに一定の角度で維持する。
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目線は常に進行方向の少し先。
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頭をターンの内側に傾けない。
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リーニングターンの切りかえし(ターン途中での方向転換) |
左右の連続ターンがそれぞれできるようになったら、ターンの途中で方向を変えて、逆の連続ターンにつなげます。 |
●切りかえし(方向転換)は新しいターンの進行方向とは逆側のパドリングをきっかけにする。
●切りかえしを行う時は、フネの傾け(リーニング)も同時に行う。
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ローブレイス |
静止した状態から片側のヒザを立て気味にしてフネを傾けます。パドルの裏側を使って傾いた側の水面を押します。その反動を感じたら立てていたヒザを緩めてフネの傾きを解いてください。水面はバシャッと叩くのではなく、水の反動を感じられるように押してください。しっかりと水を捕らえていれば、ブレードを20〜30センチ沈めるのに相当の力が必要になるはずです。
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●水面はバシャッと叩かない。
●フネとパドルは直角に交差する。
●肘の位置は手首より高く。
傾いたフネのバランスを回復させるためのストロークがブレイスですが、ブレードが水を捕らえた反動でフネの傾きを戻さないでください。傾きを回復させるにはあくまでも『腰のかえし』を使います。慣れてきたら少しずつ傾きを大きくしていきます。スプレーカバーの上に水がのる程度の傾きを最初の目標にしてください。
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ハイブレイス |
ローブレイスと同じように静止した状態から片側のヒザを立て気味にしてフネを傾けます。傾いた側の水面をパドルの表側を使って押します。その反動を感じたら立てていたヒザを緩めてフネの傾きを解きます。慣れてきたら少しずつ傾きを大きくしていきます。最終的にはフネのボトム(底)が水面上に見える程度まで傾きを大きくしてください。
●ブレイスを入れているのと反対側の脇をしめる。
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ハイブレイスはローブレイスよりも力強いリカバリーができますが、傾きを回復させるにはやはり『腰のかえし』を使います。
さて、次回はいよいよ具体的なロール練習についてご紹介します。お楽しみに。 |
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