川の難易度を示す言葉として「クラス○(グレード○、○級ということもある)」という表現があり、市販の川地図に表記してある場合もあります。しかしこの表現はランク付けした人の主観的表現が入ったり、下った時期の水量などによって同じ川でも評価に差が出ることがあるなど、必ずしも万人共通の基準となりえないのが現状です。あくまで「大まかな目安」と考えたほうが良いでしょう。その前提で以下を見てください。
|
2001.09.29 気田川ツーリング |
■クラス1
障害物がなく、素直に流れている工リア。チャポチャポとカヤックのデッキを洗うようなさざ波程度の波が立ち、ビギナーでも、難しいパドリングをしなくても通過が可能。いわゆるザラ瀬だ。カヤックに乗ったままでも、全体が見通せるところがほとんど。
■クラス2
1m程度の大きな波が立っているが、流れそのものは素直。深さも十分あり、張りつく恐れのあるような険悪な障害物などもない。進路選定は容易で、カヤックに乗ったままでも全体が見通せる瀬が多く、ビギナーでも、多少のコントロール能力さえあれば、快適にかつスリリングに、楽しみながら下ることができる。
■クラス3
クラス2よりも高くて不規則な波が立ち、障書物が増え、張りついたり、ホールに捕まったりする恐れがある。流れは複雑に屈曲している場合が多く、カヤックに乗ったままでは見通しが悪く、上陸してのスカウティングが必要。流速に負けない強いパドリング、的確な艇のコントロール能力が必要。ビギナーは恐怖感が先に立ち、90%沈させられる。しかし、沈脱出後のレスキユーは容易。
■クラス4
波は身の丈を凌ぐほど大きく複雑。本流に絶対に出られないと思われるキーパーホールがあったり、険悪な陣害物があったりする激流。急激に狭まったルートや、ハイドローリックのある落差もある。瞬時に下流の流れを読み、障害物やストッパーを避けて、進むべきコースにいける確実なパワー、艇ひとつ分のエディでもキヤッチできるコントロール能力が必要となる。中級者もエキスパートのサポートなしでは不可能。いかなる流れの状況下でも、ロールが確実に上がることが必要。
■クラス5
波は非常に大きく逆巻き、流れはハイパワー&ハイスピード。一見すると真っ白で、プルーウォーターが見つけられない。本流上に険悪なキーパーホールやアンダーカットなどの障害物が連続し、エディーはほとんどない。流れを読むことはもちろん、次々に現われる障害物やホールを、パワーのある流れに翻弄されずに回避する正確なコントロール能カが必要。ロールは必須。上級者でも困難な難易度。ダウンリバーに際しては、水上、陸上ともに優秀な複数のレスキユー要員が不可欠。ちょっとしたミスも許されない。日本では台風などの増水時にのみ現れるクラス。
■クラス6
すべての危険度、難しさ、マイナス要困がクラス5以上であり、これ以上の難易度は存在しない。川下りのテクニックも、精神的にも極限状態となる。専門家(プロや超エキスパート)による綿密な調査、準備、万全なレスキュー態勢がなされたうえで航下可能な場合があるが、それでも絶対的にアドベンチャラスな分野である。日本には、このクラスの川は存在しないといわれている。 |