普及部が頻繁に受ける質問の一つに、用意するウエアがあります。
クラブでライフジャケットとヘルメットは借りられても、ウエアは借りられません。
「必要最小限のものをすぐに購入したいので教えて下さい」という問い合わせが多いです。
カヌーの入門本や過去のパドタマに、ウエアの基本について説明が掲載されているため、
ウエアに必要な機能や考え方、どのようなものがあるかについては理解頂けるのですが、
「で、結局どこまで揃えれば良いの?」という疑問が残るようです。
前向きな質問で嬉しい反面、即答に困る質問でもあります。
組み合わせのバリエーションが豊富で、個々の好みが分かれ、コストもピンキリ。
その後どの程度カヌーにはまってしまうのか?
というようなところまで展望できないと、的確な回答ができません。
そこで、現在の当クラブでの活動の殆どに対応できる、最低限必要なウエアについて、2回に分けて私の考えを紹介したいと思います。
パドリングウエアの基礎知識に乏しい方につきましては、パドタマ11号(クラブHP掲載)や、
各種カヌー入門本を参照願います。
山海堂「リバーカヤック大全」は、ウエアとギアについての説明に13ページが割かれており、お勧めの一冊です。
@ストレッチ系ウエア
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ラッシュガード
【ブルーエース \4,200】
※半袖の製品もあります。 |
身体に直接着るウエアを指します。初めての一着を選ぶ際は、真夏にはアウターとして、
涼しい季節にはインナーとして使用できるものを選択するのが無難です。
いずれの使用に際しても、柔らかく、身体に密着するものが適しているため、ストレッチ系ウエアと呼びます。
両方の使用に適したものとしては、ラッシュガードと呼ばれるシャツがあります。
商品により撥水性や保温性が異なり、お値段にも幅がありますが、ラッシュガードは基本的に薄手のウレタン系素材で、
ウエットスーツと同様、完全撥水・速乾ではありません。
より暖かさを求めたい方のインナーとしては適さない場合もありますのでご注意を。
安価な代用品としましては、ポリエステル100%のTシャツがお勧めです。
非常に早く乾き、デザインもアウター、インナー両方に対応可能です。
長袖、半袖の両方を揃えておくと、様々な場面で活用できるはずです。
Aパドリングトランクス
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パドリングトランクス
【モンベル \4,200】 |
プール、湖、怪我リスクの少ない川での気軽なパドリングを考えた場合、パドリングトランクスがあると便利です。
基本的には化繊の水抜けのよいパンツ、トランクスであれば、代用できます。
Bパドリングシューズ
プール、湖、怪我リスクの少ない川での気軽なパドリングを考えた場合、スポーツサンダル、
クロックスタイプサンダルなどで代用可能ですが、これらは靴底の厚さから、カヤックのコックピットに収まらない場合が多々あります。
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パドリングシューズ ショート
【モンベル \4,725】 |
ウエット素材のパドリングシューズを購入しておくと、涼しい季節でも足元が冷えず、殆どのカヤックに乗艇できます。
近年、安価なリバーシューズやダイビングシューズがスポーツ用品店で手に入るようになりました。
これらの中には靴底が厚くないものもあり、代用品としては、むしろこちらを選択する方が良いと思います。
上記@〜Bを揃えていただく事で、真夏のプール、湖、怪我リスクの少ない川でのパドリングについてはカバーできるウエアが揃います。
@Aにつきましては、薄手で、単体での保温性は大したことがありません。
涼しい時期、水温が低い川では勿論、怪我リスクの高いゲレンデには適しません。
とはいえ、これらは通年で必要、あるいは応用可能なウエアであり、とても優先度が高いです。
次号のパドタマで、『後編:春秋のウエア』を紹介しますので、お楽しみに!(岩)
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